ANAカードとJALカード比較 どちらがお得?
ANAカード、JALカードの相違点
ANAカードとJALカード。しばしば比較される2枚の航空系カードです。ANAカードとJALカードは多くの点で同一の機能を有していますが、明らかな相違点もあります。
一番大きな相違点は、ANAカードの利用では提携カード会社のポイントが貯まるのに対し、JALカードの利用ではJALマイルが直接貯まる点です。ANAカードで貯めた提携カード会社のポイントは随時ANAマイルに移行することになります。
搭乗ボーナスマイル制度も異なります。ANAカードは入会時とカード更新時に無条件でボーナスマイルが入ります。JALカードの場合、初回搭乗マイル、毎年初回搭乗マイルとなっており、獲得にはフライト搭乗が必要条件となります。
以上の大きな相違点を確認した上で、個別のカード比較に入っていきましょう。
学生カードで比較
在学中は年会費無料と、優遇されている学生カードです。結論から言うと、学生カードはJALカードの方が優れています。
JALカードnaviのJCBブランド、Visaブランド、MasterCardブランドともに無条件でマイル還元率1.0%が保証されています。ANAカード学生用(JCB)は還元率1.0%ですが、ANAカード学生用(VISA/マスターカード)の還元率を1.0%に引き上げるためには年間6,300円もの移行費用が必要です。学生には高すぎる金額です。
また、JALカードnaviには、スカイメイトはもちろんのこと各種割引運賃(*)の搭乗でも区間マイルの100%が積算される優待制度「JALカード ツアープレミアム」(通常年会費2,100円)が無料で付帯しています。こちらもANAカード学生用にはないメリットです。
(*)国際線のダイナミックセイバー、海外旅行パッケージツアーに適用されるエコノミークラス包括運賃、国内線のスーパー先得、JALグループ便利用のパッケージツアーに適用される個人包括旅行割引運賃など。
極めつけは、JALカードnavi会員には、国内線特典航空券、一部の国際線特典航空券において減額マイルキャンペーンが実施されている点です。期間中は、JALカードnaviで獲得する1マイルは、ANAカード学生用で獲得する1マイルと比べて2倍の価値を持つことになります。親がJALカード会員の場合は、「JALカード家族プログラム」を通じて、親から子へマイルを融通してもらうこともできるため、JALカードnaviは非常に特典航空券が取りやすいカードと言えます。
JALカードは海外旅行傷害保険・国内旅行傷害保険ともに自動付帯で1,000万円まで補償されています。ANAカード学生用の国内旅行傷害保険は、航空機搭乗中および飛行場構内のみという制限付きです。また、JALカードnaviには、海外旅行中の傷害・治療費用保険、賠償責任保険、救援者費用保険も付帯しています。ANAカード学生用には救援者費用保険が付帯しています。
ANAカード学生用(JCB) | ANAカード学生用(VISA/マスターカード) | JALカードnavi(JCB) | JALカードnavi(VISA/マスターカード) | |
提携カード会社 | 株式会社ジェーシービー | 三井住友カード株式会社 | 株式会社ジェーシービー | 三菱UFJニコス株式会社 |
年会費 | 在学期間中無料 | |||
マイル還元率 | 1,000円で10マイル | 1,000円で5マイル | 1,000円で10マイル | |
マイル還元率を2倍するための費用 | 無料 | 6,300円 | 無料 | |
海外旅行傷害保険 | 1,000万円 | 1,000万円 | ||
国内旅行傷害保険 | 最高1,000万円(航空機搭乗中のみ) | 1,000万円 | ||
対応電子マネー | QUICPay(0.5%/1.0%) | iD(0.5%/1.0%) | JMB WAON(1.0%)、QUICPay(1.0%)、楽天Edy(0%)、モバイルSuica(0%) | JMB WAON(1.0%)、楽天Edy(0%)、モバイルSuica(0%) |
入会ボーナスマイル | 1,000マイル | |||
入会搭乗ボーナスマイル | - | 1,000マイル | ||
継続マイル | 1,000マイル | - | ||
毎年初回搭乗マイル | - | 1,000マイル | ||
搭乗ボーナスマイル | +10% |
20代の社会人向けカードで比較
ANAカードには、18歳から29歳までの社会人の方が5年間限定で保有することのできるANA JCB ZEROがあります。年会費が完全無料の唯一のANAカードです。
ANAカードマイルプラス特典、+10%のフライトボーナスマイル特典が受けられます。
しかし、Oki Dokiポイントの移行コースは「5マイルコース」しか用意されておらず、ショッピングマイルは貯めづらいという欠点があります。
一方のJAL CLUB ESTは、JALカード 普通カードやJAL CLUB-Aカード、JAL CLUB-Aゴールドカードに「CLUB EST」特典が付いたカードです。JAL CLUB EST JAL 普通カードの場合、カードの年会費に加えて、「CLUB EST」年会費5,250円がかかります。
「CLUB EST」に入会すると、年会費3,150円のJALカードショッピングマイル・プレミアムに自動入会となり、サクララウンジの利用、国内線クラスJアップグレード(クラブJ-eクーポン)などのサービスも利用できるようになり、マイルの有効期限が獲得月の翌月から60ヶ月後の月まで延長されるメリットもあります。
コストを抑えてサービスも切り詰めたANA JCB ZEROと、追加コストで上質なサービスを付加するJAL CLUB ESTでは設計思想が全く異なるのですね。
ANA JCB ZERO | JAL CLUB EST | |||
JAL・Visaカード | JAL・MasterCard | JAL・JCBカード | ||
提携カード会社 | 株式会社ジェーシービー | 三菱UFJニコス株式会社 | 株式会社ジェーシービー | |
年会費 | 無料 | [カード年会費]2,100円(※初年度無料) | ||
[CLUB EST年会費]5,250円 | ||||
マイル還元率 | 1,000円で5マイル | 100円で1マイル | ||
マイル還元率を2倍するための費用 | マイル還元率を2倍する「1ポイント=10マイルコース」は利用できません。還元率は0.5%固定です。 | CLUB ESTに入会すると、JALカードショッピングマイル・プレミアム(年会費3,150円)に自動入会。 | ||
海外旅行傷害保険 | - | 最高1,000万円 | ||
国内旅行傷害保険 | - | 最高1,000万円 | ||
対応電子マネー | QUICPay | JMB WAON | JMB WAON、QUICPay | |
入会ボーナスマイル | 1,000マイル | - | ||
入会搭乗ボーナスマイル | - | 2,000マイル ※CLUB EST限定ボーナスマイル1,000マイル含む |
||
継続マイル | - | - | ||
毎年初回搭乗マイル | - | 2,000マイル ※CLUB EST限定ボーナスマイル1,000マイル含む |
||
搭乗ボーナスマイル | +10% | 15% ※CLUB EST限定ボーナスマイル+5%含む |
ANA JCBカードとJAL JCBカードはうり二つ
ANA(全日本空輸株式会社)と株式会社ジャルカードが株式会社ジェーシービーと提携して発行しているANA JCBカードとJAL JCBカードは機能面でほぼ同一と言えます。
ANA JCBカード![]() |
JAL JCBカード | |
提携カード会社 | 株式会社ジェーシービー | |
年会費 | 初年度無料(翌年度以降2,100円) | |
マイル還元率 | 1,000円で5マイル | |
マイル還元率を2倍するための費用 | 年間2,100円 ※「10マイルコース」移行手数料として |
年間3,150円 ※JALカードショッピングマイル・プレミアム年会費として |
海外旅行傷害保険 | 最高1,000万円 | |
国内旅行傷害保険 | 最高1,000万円(航空機搭乗中のみ) | 最高1,000万円 |
対応電子マネー | QUICPay(0.5%/1.0%) | QUICPay(0.5%/1.0%)、JMB WAON(0.5%/1.0%) |
入会ボーナスマイル | 1,000マイル | - |
入会搭乗ボーナスマイル | - | 1,000マイル |
継続マイル | 1,000マイル | - |
毎年初回搭乗マイル | - | 1,000マイル |
搭乗ボーナスマイル | +10% |
ANA VISAカードとJAL VISAカードの比較
ANA VISA/マスターカードとJAL VISA/マスターカードは機能面で少し異なります。これは、ANA VISA/マスターカードが三井住友カードとの提携カード、JAL VISA/マスターカードが三菱UFJニコスとの提携カードという違いに起因します。提携カード会社が異なるのです。
JCBカード同様にほとんどの点で同一なのですが、マイル還元率を2倍するためのコストが異なります。電子マネー対応度はJAL VISA/マスターカードの方が優れています。
ANA VISA/マスターカード![]() |
JAL VISA/マスターカード | |
提携カード会社 | 三井住友カード | 三菱UFJニコス株式会社 |
年会費 | 初年度無料(翌年度以降2,100円) | |
マイル還元率 | 1,000円で5マイル | |
マイル還元率を2倍するための費用 | 年間6,300円 | 年間3,150円 |
海外旅行傷害保険 | 最高1,000万円 | |
国内旅行傷害保険 | 最高1,000万円(航空機搭乗中のみ) | 1,000万円 |
対応電子マネー | iD、WAON、PiTaPa | Edy、モバイルSuica、JMB WAON、 |
入会ボーナスマイル | 1,000マイル | - |
入会搭乗ボーナスマイル | - | 1,000マイル |
継続マイル | 1,000マイル | - |
毎年初回搭乗マイル | - | 1,000マイル |
搭乗ボーナスマイル | +10% |
Suica搭載カードで比較
ANAカード、JALカードともに交通系電子マネーの代表格「Suica」を登載したカードがあります。ANA VISA Suicaカード、JALカードSuica(JCB)です。ANA VISA Suicaカードは三井住友カードと全日空とビューカード3社提携のVISAブランド。JALカードSuicaはジェーシービーと日本航空とビューカードの3社提携のJCBブランド。クレジットカード機能、マイレージ機能、Suicaオートチャージ機能を備えたハイスペックなカードです。前者は、広告主の影響を受けない辛口採点簿で有名な雑誌『モノクロ』のランキングで6位、後者は4位でした(2011年度版)。
ANA VISA Suicaカード![]() |
JALカードSuica | |
提携カード会社 | 三井住友カード | 株式会社ジェーシービー |
年会費 | 初年度無料(翌年度以降2,100円) | |
マイル還元率 | 1000円で5マイル | |
マイル還元率を2倍するための費用 | 年間6,300円 | 年間3,150円 |
海外旅行傷害保険 | 最高1,000万円 | |
国内旅行傷害保険 | 最高1,000万円(航空機搭乗中のみ) | 最高1,000万円 |
対応電子マネー | Suica、iD | モバイルSuica、QUICPay |
入会ボーナスマイル | 1,000マイル | - |
入会搭乗ボーナスマイル | - | 1,000マイル |
継続マイル | 1,000マイル | - |
毎年初回搭乗マイル | - | 1,000マイル |
搭乗ボーナスマイル | +10% |
PASMO搭載カードで比較
次に、PASMO機能を搭載したANAカードとJALカードを比べてみましょう。
2013年3月23日より、PASMOは、Suicaを含めた全国の交通系ICカードとの相互利用が可能となったため、利便性が大きく向上しました。
ANA To Me CARD PASMO(ソラチカカード)は、ANA JCBカードとしての機能に加えて、メトロポイント機能も搭載されています。「メトロポイントPlus」に登録したPASMOで(定期券区間を除く)東京メトロ線に乗車すると、平日は5ポイント、土休日は15ポイントのメトロポイントを貯めることができます。東京メトロ構内の売店(METRO'S)、Echika、Echika fit、Metro pia、EsolaでPASMO電子マネーで買い物をした際にもメトロポイントを貯めることができ、100メトロポイント=90ANAマイルで交換できます。また、ANA To Me CARD PASMO(ソラチカカード)は、ハピタス、ネットマイル利用者にも相性の良いカードです。詳しくは、「ANA PASMO JCBとANA VISA Suicaを完全比較」を御覧ください。
JALカード TOP&ClubQは、JAL・Visaカード、JAL・MasterCardの機能に加えて、TOKYUポイントカード機能も搭載されています。PASMOオートチャージサービスと、JMB WAONクレジットチャージが利用できるのは心強いでしょう。交通系電子マネーと流通系電子マネーを押さえられるわけですからね。
JALカード OPクレジットもPASMOオートチャージサービスが利用可能。しかし、JMB WAONクレジットチャージには利用できません。小田急線ユーザーであっても、JMB WAON利用機会の多い方は、JALカード TOP&ClubQの方がおすすめです。
なお、ゴールドカードが用意されていないANA To Me CARD PASMO(ソラチカカード)とは違い、2つのJALカードには上位版であるCLUB-Aカード、CLUB-Aゴールドカードが用意されています。ボーナスマイルや付帯保険の金額がアップしています。
ANA To Me CARD PASMO(ソラチカカード) | JALカード TOP&ClubQ | JALカード OPクレジット | |
提携カード会社 | 株式会社ジェーシービー | 三菱UFJニコス株式会社 | 小田急電鉄株式会社 |
年会費 | 初年度無料(翌年度以降2,100円) | ||
マイル還元率 | 1,000円で5マイル | ||
マイル還元率を2倍するための費用 | 年間2,100円 | 年間3,150円 | |
海外旅行傷害保険 | 最高1,000万円 | ||
国内旅行傷害保険 | 最高1,000万円(航空機搭乗中のみ) | 最高1,000万円 | |
対応電子マネー | PASMO(0.5%/1.0%)、QUICPay(0.5%/1.0%) | PASMO(0.5%/1.0%)、JMB WAON(0.5%/1.0%) | PASMO(0.5%/1.0%) |
入会ボーナスマイル | 1,000マイル | - | |
入会搭乗ボーナスマイル | - | 1,000マイル | |
継続マイル | 1,000マイル | - | |
毎年初回搭乗マイル | - | 1,000マイル | |
搭乗ボーナスマイル | +10% |
ANAダイナースカードとJALダイナースカード比較
ANAダイナースカード、JALダイナースカードの比較は以下の通りです。
ANAダイナースカード | JALダイナースカード | |
提携カード会社 | シティカードジャパン | |
年会費[税別] | 27,000円 | 23,100円 |
マイル還元率 | 100円で1マイル | 100円で1マイル |
マイル還元率を2倍するための費用 | - | - |
海外旅行傷害保険 | 最高1億円 | |
国内旅行傷害保険 | 最高1億円 | |
対応電子マネー | 楽天Edy | - |
入会ボーナスマイル | 2,000マイル | - |
入会搭乗ボーナス | - | 5,000マイル |
継続マイル | 2,000マイル | - |
毎年初回搭乗マイル | - | 2,000マイル |
搭乗ボーナスマイル | +25% |
ANAアメックスとJALアメックスを比較
ANAアメックスカードは一般とゴールドの2種類。まだ、プラチナは存在しません。一方、JALアメックスカードは普通カード、CLUB-Aゴールドカード、プラチナの3券面が存在します。JALアメックスカードプラチナはJALカード唯一のプラチナカードです。
JALアメックスカードのCLUB-Aゴールドカードとプラチナには、「アドオンマイル」という制度があり、自社グループ便搭乗時の還元率が最大で4.0%にもなります。
JALアメックスカードプラチナにはプライオリティ・パスのサービスも付いています。
ANAアメックスカード | JALアメックスカード | ||||
![]() |
![]() |
![]() 普通カード |
![]() CLUB-Aゴールドカード |
![]() プラチナ |
|
提携カード会社 | アメリカン・エキスプレス・インターナショナル・インコーポレーテッド | アメリカン・エキスプレス・インターナショナル・インコーポレーテッドからライセンスを受けた三菱UFJニコス | |||
年会費 | 7,350円 | 32,550円 | 6,300円 | 19,950円 | 32,550円 |
マイル還元率 | 1% | 1% | 0.5% | 1% | 1% |
マイルを2倍にするための費用 | - | - | 3,150円 | - | - |
ANA便搭乗時の還元率 | 2.5% | 3.0% | 0.5% | 1% | 1% |
JAL便搭乗時の還元率 | 1% | 1% | 2.0% | 3.0% | 4.0% |
海外旅行傷害保険 | 最高3,000万円 | 最高1億円 | 最高3,000万円 | 最高5,000万円 | 最高1億円 |
国内旅行傷害保険 | 最高2,000万円 | 最高5,000万円 | 最高3,000万円 | 最高5,000万円 | 最高5,000万円 |
対応電子マネー | QUICPay(1%)、モバイルSuica(0%)、SMART ICOCA(0%) | - | |||
入会ボーナスマイル | |||||
入会搭乗ボーナスマイル | - | 1,000マイル | 5,000マイル | ||
継続マイル | 1,000マイル | 2,000マイル | - | ||
毎年初回搭乗マイル | - | 1,000マイル | 2,000マイル | ||
搭乗ボーナスマイル | +10% | +25% | +10% | +25% |
まとめ
学生の方ならJALカードnavi、20代の若い社会人の方ならJAL CLUB EST、30代以上の社会人の方ならANAアメリカン・エキスプレス・カードやJALカードVISA/マスターカード/アメリカン・エキスプレス・カードがおすすめでしょうか。